乳牛ふん尿の通気性を確保するために必要な副資材の混合割合

タイトル 乳牛ふん尿の通気性を確保するために必要な副資材の混合割合
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究課題名
研究期間 2005~2008
研究担当者 原田泰弘
皆川啓子
道宗直昭
発行年度 2008
要約 乳牛ふん尿の堆肥化において1.5m堆積時に堆肥原料1m3あたり100L/min相当の風量で通気性を確保するためには、88%w.b.の乳牛ふん尿1に対して、オガクズ31%w.b.で0.18、モミガラ11%w.b.で0.16、戻し堆肥33% w.b.で0.64、稲ワラ14% w.b.で0.11の質量割合以上で混合することが望ましい。
キーワード 乳牛ふん尿、堆肥化、通気性、堆肥原料、副資材
背景・ねらい  家畜ふん尿の堆肥化では、堆肥原料(以下「原料」)の調製の指標に含水率が使われているが、含水率が高くても十分な通気性が確保できれば堆肥化を行うことが可能である。また、堆肥化装置の通気装置は堆肥原料1m3あたり100L/min程度の風量で運転され、1.0~2.5kPa程度の静圧を有する送風機が推奨されている(堆肥化施設設計マニュアル、中央畜産会)。そこで、任意の通気量に対する原料の堆積高さと通気抵抗の関係を把握し、適正な副資材の質量混合割合(以下「割合」)を求める。
成果の内容・特徴
  1. 乳牛ふん尿(88.0%w.b.)に副資材を混合した原料について、任意の通気量に対する原料の堆積高さと通気抵抗の関係を示した情報である。オガクズ、モミガラ、戻し堆肥、稲ワラを各々混合した原料を円筒容器(内径500mm)に充填して荷重を加えて堆積高さを推定し、風量と原料の通気抵抗を測定し(図1)、その結果から、任意の堆積高さにおける風量と通気抵抗の関係を推定する。1.5m堆積時に堆肥原料1m3あたり100L/minに相当する風量で通気した時、全原料で通気性が急激に悪化する副資材の割合が存在する。
  2. 乳牛ふん尿1に対して、オガクズ(31.0%w.b.、平均粒径1.3mm)を割合0.66、0.26、0.21、0.18、0.13とした原料の通気抵抗は、割合0.18~0.13の間で急激に悪化する(図2)。風量を変えても同様の傾向である。割合0.18以上では1.5m以上原料を堆積しても通気抵抗は300Pa程度以下となるが、割合0.13で通気抵抗を1.0kPaに抑えるには堆積高さを1.0m程度までとすることが望ましい。
  3. モミガラ(11.4%w.b.、平均粒径3.1mm)を割合0.41、0.16、0.15、0.12とした原料の通気抵抗は、割合0.16~0.15の間で急激に悪化する(図2)。割合0.16以上では1.5m以上原料を堆積しても通気抵抗は0.1kPa程度以下となるが、割合0.15で通気抵抗を1.0kPaに抑えるには堆積高さを1.2m程度まで、割合0.12では0.8m程度までとすることが望ましい。
  4. 戻し堆肥(32.6% w.b.、平均粒径3.0mm)を割合1.02、0.76、0.64、0.54、0.51とした原料の通気抵抗は、割合0.64~0.54の間で急激に悪化する(図2)。割合0.64以上では1.5m以上原料を堆積しても通気抵抗は0.1kPa程度以下となるが、割合0.54で通気抵抗を1.0kPaに抑えるには堆積高さを1.6m程度まで、割合0.51では1.3m程度までとすることが望ましい。
  5. 稲ワラ(13.8% w.b.、切断長4cm程度)を割合0.29、0.19、0.13、0.11、0.08とした原料の通気抵抗は、割合0.11~0.08の間で急激に悪化する(図2)。割合0.11以上では1.5m以上原料を堆積しても通気抵抗は0.05kPa程度以下となるが、割合0.08で通気抵抗を1.0kPaに抑えるには堆積高さを1.3m程度までとすることが望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 堆肥原料を発酵槽へ投入するときの原料調製、副資材の重量混合割合の参考になる。
  2. 送風機の選択など、堆肥化装置を設計する際の参考になる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010001827
カテゴリ 乳牛

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