温暖化など気象変動が我が国の農業に及ぼしている影響の現状

タイトル 温暖化など気象変動が我が国の農業に及ぼしている影響の現状
担当機関 機構本部
研究課題名
研究期間 2001~2005
研究担当者 杉浦俊彦
住田弘一
横山繁樹
小野 洋
発行年度 2005
要約  温暖化などの気象変動が我が国の農業生産に及ぼしている影響に関し、多くの現象があげられ、野菜・花きは9割、水稲は7割、麦類、大豆、飼料作物、家畜において4割前後の都道府県ですでに何らかの影響の発生がみられる。
キーワード 温暖化、生産、栽培、病害、虫害、調査、対策
背景・ねらい  我が国では1990年以降、気温の上昇や年変動の拡大など気象変動が顕在化しており、今後もその傾向は続くと予測されている。農業は気象への依存性が高く、その影響を早期に把握し、長期的な対応を検討する必要がある。そこで温暖化など気象変動が現時点で農業生産に対し、どのような影響を及ぼしているかについて、全国規模の調査を実施し、影響や対策の現状を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
全国の公立農業関係試験研究機関に対して調査票を送付し、2005年11月までに回答を得た結果、気象変動が原因と考えられる現象がひとつでもあるとした都道府県数は水稲36、麦類20、大豆20、野菜・花き44、飼料作物15、家畜17である。野菜・花きは9割、水稲は7割以上の都道府県に影響がみられ、すでに全国的に影響を受けている。麦類、大豆、飼料作物、家畜においても4割前後の都道府県で影響が現れている。
2.
水稲では白未熟粒、胴割れ粒の発生増加、小麦・大麦では早熟化による減収、赤かび病増加、大豆ではハスモンヨトウの多発、干害の増加が顕著である(表1)。
3.
野菜・花きでは施設の高温対策の必要性増大、収穫期の前進や遅れ、生育障害の発生増加、加温施設の暖房費の減少、ヨトウガ類、コナジラミ類、タバコガ類の多発等が多く認められる(表2)。
4.
飼料作物では夏枯等による減収、冬作等の牧草の増収、アブラムシの多発、家畜では、熱中症による死亡、繁殖障害の増加、乳生産量の減少、飼料摂取量の減少がみられる(表3)。
5.
現時点で、実施・推奨されている気象変動対策の例として水稲の白未熟発生対策を表4に示す。この他の事項や、他の作目においても、多くの対策事例があり、すでに生産現場において気象変動への対応が始まっていることが明らかである。
成果の活用面・留意点 1.
本調査の結果の詳細は小冊子「農業に対する温暖化の影響の現状に関する調査(研究調査室小論集第7号、ISSN 1349-1075)」にまとめており、本情報の連絡先より入手できる。生産現場で起きている現象が気象変動によるものかどうかの判断や、他地域での対策事例の検索など、温暖化など気象変動に関する情報として、生産者や行政が活用できる。
2.
本情報は作付けが著しく少ない都府県を除く、水稲は46、麦類・大豆は44、野菜・花き及び飼料作物・家畜は47都道府県の農業関係試験研究機関に対し調査票を送付し、すべて回収して得られた結果に基づく。必ずしも項目ごとに統計調査を実施したものではなく、主に担当者の判断によるものである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010001649
カテゴリ 害虫 高温対策 小麦 飼料作物 水稲 大豆 繁殖性改善

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