小麦子実の含水率・穂発芽危険度の推定モデル

タイトル 小麦子実の含水率・穂発芽危険度の推定モデル
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 中園 江
井上君夫
発行年度 2005
要約  気温、湿度、降水時間より、出穂期以降の小麦子実の含水率の推移を推定する。生理的成熟期の穂発芽危険度は、子実含水率70から50%の期間の平均気温と、50%から生理的成熟期までの降水日数を用いた重回帰式により算出される。
キーワード コムギ、農林61号、子実含水率、穂発芽、気象、登熟ステージ
背景・ねらい  降雨によって引き起こされる穂発芽を回避し高い品質を確保するためには、子実の含水率や穂発芽の発生危険度から、刈取適期を判断し効率的な収穫スケジュールを策定することが有効であるが、含水率の推移や穂発芽発生の主要因である子実の休眠性は環境による変動が大きい。そこで、関東地域の主要品種である農林61号を対象に、気象情報から子実含水率の推移および穂発芽の発生危険度を推定するモデルを開発し、適期収穫支援の基礎とする。
成果の内容・特徴 1.
子実の登熟ステージは含水率に対応させることができる(図1)。
2.
開花期のDVIを0、生理的成熟期(乾物重増加がほぼ停止する時期)のDVIを1とすると、この間の発育速度DVRは日平均気温T(℃)を用いた式で表される(図2-(1))。
3.
開花期から生理的成熟期までの子実含水率WCは登熟の進行にともない減少し、DVIの関数で推定される。(図2-(2))
4.
生理的成熟期以降の1時間毎の子実含水率WCtは、蒸発量ΔEと、降雨がある場合は吸水量ΔRにより決まると考えられる。蒸発量は(t-1)時の含水率WCt-1と飽差et-1で、吸水量ΔRは降雨継続時間tRの式でそれぞれ求められる(図2-(2))。
5.
生理的成熟期における15℃の発芽率G15は、乾物重増加期間(子実含水率70から50%)の平均気温T70-50と、胚成熟期間(子実含水率50%から生理的成熟期まで)の降水日数R50-PMとの相関が高く、この2要因を用いた重回帰式より、生理的成熟期の穂発芽危険度G15を推定することができる(図2-(3)、表1)。
6.
本モデルにより、収穫適期とされる子実含水率が30%以下になる日を誤差平均1.0(日)で推定可能である(図3に例示)。
成果の活用面・留意点 1.
登熟の経過と穂発芽の危険度を把握することにより、収穫期決定の判断材料となる。
2.
G15は15℃での発芽率の推定値であり、潜在的な穂発芽の危険度を表すものである。
3.
生理的成熟期以降の含水率の推定には相対湿度のデータが必要であるため、利用可能な気象データは気象官署の地上気象観測データに限定される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010001646
カテゴリ 小麦 品種

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