多くの病害に適用できる拡張性を持つ病害発生予測システム

タイトル 多くの病害に適用できる拡張性を持つ病害発生予測システム
担当機関 千葉農総研
研究課題名
研究期間 2001~2003
研究担当者 Matthew
Laurenson
菅原幸治
大谷 徹(千葉農総研)
竹内妙子(千葉農総研)
田中 慶
渡邊朋也
梅本清作(千葉農総研)
発行年度 2003
要約 気温と濡れ継続時間に対する感染・発病程度の関係がわかる病害であれば、パラメータの設定により適用可能な病害発生予測システムである。本システムは複数の気象データベースに対応し、インターネットを通して誰でも利用できる。
キーワード 病害発生予測システム、気象データベース、MetBroker、インターネット
背景・ねらい
 病害管理の高度化を目指すうえで、薬剤散布の適否あるいは適切な散布時期の判断を支援する技術開発は必須であり、発病程度を推定・予測するモデルは有効なツールである。気象データを利用してモデルを実行する病害発生予測システムはこれまでにも開発されているが、開発言語や利用する気象データベースの構造などの違いから、システムを他の病害に拡張することや異なる気象データベースに対応することは容易ではなかった。そこで、多くの病害に適用できる柔軟な拡張性を持ち、かつ複数の気象データベースに対応した病害発生予測システムを開発する。
成果の内容・特徴 1.
Duthie(1997)の報告による感染程度推定モデル(図1)は、植物体葉面の濡れにより感染が生じるタイプの多くの病害に適用可能である。このモデルをJava技術によりプログラム化し、インターネットを通してWebブラウザ上で利用できるAppletの形にしている(図2)。
2.
ある病害について接種試験等により気温と濡れ継続時間に対する感染・発病程度の関係がわかれば、そのデータをDuthieモデルに当てはめてパラメータの値を求め、パラメータ値を本システムのAppletに登録できる。ナシ黒星病(幸水)とナシ黒斑病(二十世紀)のパラメータ値がすでに登録されており、パラメータ設定の画面でいずれかの病害名を選択するとパラメータ値が自動的に設定される(図2③)。また、この画面では任意のパラメータ値も入力できる。
3.
本システムは気象データ仲介ソフトである“MetBroker”の機能を利用しており、MetBrokerに登録されているAMeDASほか複数の気象データベースを、そのデータ構造の違いを意識することなく利用できる(図2②)。一定地域内における複数の気象観測地点のデータを同時に取り込む機能により、発病程度の予測結果を地図上に表示できる(図2④)。
4.
Duthieモデルの変数である濡れ継続時間は結露センサーにより計測するが、本システムは雨量や湿度から濡れ発生の有無を推定するモデルのAppletを備えており、濡れ継続時間を推定してDuthieモデルを実行できる。図2④はAMeDASの雨量データを使って推定した例である。
成果の活用面・留意点 1.
本システムは、中央農業総合研究センター農業情報研究部によるWebサイト「Javaによる作物生育、病害虫・雑草発生予測モデル」内で試験的に公開されおり、次のURLにアクセスしてモデルを実行できる。URL:http://cse.naro.affrc.go.jp/ketanaka/model/2.
結露センサーは機種や設置方法によって出力特性が異なることがあるため、モデルを実行する際にはパラメータ設定画面(図2③)で濡れ判定の閾値を調整する必要がある。
3.
本システムと簡易気象ロボット“フィールドサーバ”を併用すれば、任意地点におけるリアルタイムの微気象データにもとづく病害予測が容易に実現できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010001302
カテゴリ 害虫 黒星病 雑草 データベース 薬剤 ロボット

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