血液検査による乳用育成牛の発育性モニタリング

タイトル 血液検査による乳用育成牛の発育性モニタリング
担当機関 兵庫県立淡路農業技術センター
研究課題名
研究期間 1997~1999
研究担当者 生田健太郎
発行年度 1999
要約 乳用育成牛の12か月齢までの体重、体型測尺値の日増加量とヘマトクリット、グルコース、カルシウム、尿素態窒素に有意な相関が認められる。発育不良群では3~6か月齢のヘマトクリット、総蛋白質、アルブミン、グルコース、無機リンの値が発育良好群に比べて有意に低い。
背景・ねらい  近年、代謝プロファイルテストの普及により成牛については栄養管理や生産性と血液成分の関係が明らかにされつつあるが、育成牛に関する報告は少ない。そこで、酪農家の育成牛を対象に継続的な調査を行い、発育性と血液成分の関係を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 酪農家6戸で生産された雌子牛51頭を対象に、24か月齢まで3か月間隔で、体重、体型測尺値、血液成分を調査した。なお、発育ステージはⅠ期:3~6か月齢、Ⅱ期:7~12か月齢、Ⅲ期:13~18か月齢、Ⅳ期:19~24か月齢の4期に区分し検討する。
  2. 体重、体型測尺値の日増加量は、血液成分値のうち、Ⅰ期ではヘマトクリット(Ht)、グルコース(Glu)、カルシウム(Ca)、Ⅱ期ではヘマトクリット、尿素態窒素(BUN)との間に有意な相関が認められる(表)。従って、Ⅰ期における水分、エネルギー、ミネラル不足、Ⅱ期における分解性蛋白質過剰に伴う蛋白不足は12か月齢までの発育値の日増加を抑制する。
  3. 発育不良群の血液成分値は発育良好群に比べ、Ⅰ期のHt、総蛋白質(TP)、アルブミン(Alb)、Glu、無機リン(iP)、Ⅱ期のHtが有意に低く、Ⅱ期のGlu、Ⅲ期のGlu、総コレステロール(Tcho)、Ⅳ期のBUN、iPが有意に高い(図)。従って、Ⅰ期における栄養不足は血液成分値を低下させ、体重の発育値に大きく影響する。また、発育不良群は栄養代謝面における発達の遅れから、発育に伴って低下する血液成分(Glu,Tcho,BUN,iP)では、Ⅱ期以降、発育良好群よりも相対的に高値を示す傾向がある。
  4. 以上より、乳用育成牛の血液成分値は発育性を反映しており、発育性モニタリングの指標として活用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 血液検査による育成牛の発育性モニタリングは12か月齢までに実施する。
  2. 疾病によらない栄養不良と判断される場合は、日本飼養標準等を参考に現行の飼料給与内容を点検し、改善を図る。また、栄養面ばかりでなく、施設面や環境面についても併せて点検する。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000867
カテゴリ くり 乳牛 モニタリング

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