ウンシュウミカンの葉の萎れ角度を指標とするかん水時期の決定

タイトル ウンシュウミカンの葉の萎れ角度を指標とするかん水時期の決定
担当機関 広島県立農業技術センタ-果樹研究所
研究課題名
研究期間 1998~1998
研究担当者 中元勝彦
中谷宗一
湯浅哲信
平尾 晃
発行年度 1998
要約 ウンシュウミカンの樹体の水ストレスの程度は、葉の萎れ角度によって診断できる。『葉のシオレメ-タ-』による葉の萎れ角度15度を指標とする水管理法は、夏季の果実肥大期のかん水開始時期を決定する簡易な技術である。
背景・ねらい  ウンシュウミカンの高品質果生産のポイントは、夏秋期において樹体に適度な水ストレスを付与することである。しかし、適度な水ストレスと、それを簡便に把握できる指標は明らかにされていない。そこで、土壌の乾燥に対する樹体反応から適度な水ストレスを明らかにし、葉の萎れ角度を指標とする水管理法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 葉の萎れ角度は、土壌の乾燥と葉の水ポテンシャル(水ストレスの程度)に比例する(図1)。
  2. 満開後79日から乾燥(断水)処理を行うと、明期終了前(夕方)における葉の萎れ角度が約13度になる日(満開後81日)に、果実の日肥大量はゼロになる。さらに、明期(日中)における葉の萎れ角度が約15度を超える日(満開後82日)から、果実の日肥大量はマイナスに転じ、新根の根色値が4(黄土色)に変化する(図1)。以上のような樹体反応から、葉の萎れ角度15度の水分状態が、果実肥大の低下を最小にし、しかも新根を枯死させない最大の水ストレス(適度な水ストレス)、すなわち潅水適期であると判断される。
  3. 葉の萎れ角度を簡便に測定するには、『葉のシオレメ-タ-』を用いる。構造は、萎れ角度測定用の針金に、取り付け用の針金を巻き付けた簡易なものである(図2)。
  4. 『葉のシオレメ-タ-』は、満開後70日頃、十分に潅水を行った2日後の早朝に、地上1.5mの高さに発生している無着果春枝の先端葉に、1樹当たり2カ所、5樹に1樹の割合で取り付ける。三角定規を用いて、葉の先端と葉柄の基部を結ぶ線に対して、萎れ角度測定用の針金の伏角が15度になるように、取り付け用の針金を調整する(図2)。
  5. 潅水は、葉が午後1時頃に測定用の針金に接した日の翌朝(裂果防止のため)に行う。潅水量は1回当たり10mmとし、収穫時まで繰り返す。この水管理法は、農家のハウス栽培で実用性が高いことが確認されている(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 『葉のシオレメ-タ-』が、防除などの管理作業によってずれないように留意する。
  2. この技術は,露地及びハウス栽培で活用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000704
カテゴリ 温州みかん 乾燥 防除 水管理 裂果防止

この記事は