ワラビ優占草地および広葉樹林地へのシバ導入法

タイトル ワラビ優占草地および広葉樹林地へのシバ導入法
担当機関 中国農業試験場
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者 大谷一郎
山本直之
小山信明
圓通茂喜
発行年度 1997
要約 ワラビ優占草地をシバ草地化するには、除草剤散布やシバ移植1年目の頻繁な刈払いによりワラビを抑圧し、広葉樹林地にシバを導入するには、強間伐後にシバを移植し、両草地とのシバ移植当年からのべ200頭・日/ha程度の放牧を行う。
背景・ねらい  中国地方では、ワラビが優占している草地や未利用の林地が多く存在する。ワラビは肉用牛には有毒であり、通常は採食されないので、ワラビを防除してシバ草地化することで牧養力が高まる。一方、林地での放牧利用を図るためには、林床植生を、施肥が不要で土地保全にも役立つシバ植生に転換し、牧養力を高めることが望まれる。そこで、ワラビ優占草地および広葉樹林地の林床にシバを導入し、放牧条件下(のべ200頭・日/ha程度)でシバの被度を高める方法について検討する。
成果の内容・特徴
  1. ワラビが優占する野草地で、1995年5月に除草剤を散布し(アシュラム液剤、555、370ml/10a)、ワラビ枯死後の6月にシバのポット苗を4本/m2 移植して管理放牧すると、ワラビの再生も少なく、シバは急速に広がり、移植の約2年後にはシバが優占する(表2)。
  2. ワラビ優占草地にシバを移植するとともに、移植当年のみ1ヶ月間隔で6回刈払いを実施し、管理放牧すると、ワラビがしだいに減少、わい性化し、除草剤散布処理と同様に約2年後にシバが優占する。一方、無処理では移植したシバの大部分が消滅する(表2)。
  3. コナラ、エゴノキ、ヤマザクラ等の広葉樹林(平均樹高約9m)に立木密度の異なる3処理区を設け、1996年3月に林床にシバの苗(15×15cm)を1枚/m2 移植し、放牧した。林床の光環境は、立木密度が少なくなるほど改善され、下草量が増加する(表3)。
  4. 林床のシバの被度は、移植翌年には立木密度が低い処理区ほど高まり、低密度区では優占種となることから、本試験程度の樹高の広葉樹林地では、概ね30本/10a程度に強間伐し、相対光量子束密度を林外の80%程度にするとシバの定着が可能になる(表4)。

成果の活用面・留意点
  1. 中国地域のワラビ優占草地および未利用の広葉樹林地に適用できる。
  2. 草地管理として有刺植物等の不食草の除去および掃除刈りを年1~2回必要とする。
  3. 広葉樹林地では経年的に林冠が閉鎖し、林床の光環境が悪化するので、シバ植生を維持するには除間伐、枝打ち等により、相対光量子束密度を80%程度に維持する必要がある。
表1 
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000485
カテゴリ 除草剤 施肥 肉牛 防除 わらび

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