殺菌剤散布によるオウトウの幼果菌核病と灰星病の効率的防除法

タイトル 殺菌剤散布によるオウトウの幼果菌核病と灰星病の効率的防除法
担当機関 上川農試
研究課題名
研究期間 1999~2003
研究担当者 西脇由恵
発行年度 2003
要約 オウトウ幼果菌核病の薬剤防除の適期は、葉腐れでは開花直前、幼果腐れでは満 開期である。開花直前の防除は灰星病の花腐れ防除時期と一致し、同時防除が可能である。
キーワード オウトウ、幼果菌核病、灰星病、薬剤散布
背景・ねらい オウトウ果実に発病し直接被害に結びつくオウトウ幼果菌核病および灰星病について道内 での発生実態、病原菌、発生推移、発生生態、防除対策を明らかにし、両病害の効率的防 除対策を確立してオウトウの安定生産を図る。
成果の内容・特徴 1.幼果菌核病葉腐れの伝染源は越冬菌核(前年度落下した罹病果)上の子実体から飛
散する子のう胞子であり、各葉叢の第1葉抽出~展葉は重要な感染時期である。 2.幼果菌核病幼果腐れは開花当日~3日後が最も重要な感染時期であり、その伝染源 は子のう胞子、近隣のサクラ類樹木罹病葉やオウトウ罹病葉上に形成される分生子であ
る。 3.葉腐れは、開花 20 日前~ 10 日前の低温多雨条件下で多発傾向になる。幼果腐れは
開花 10 日前~満開期にかけて多雨、また開花期~満開期の最高気温が低い条件下で多
発傾向になる。 4.幼果菌核病の葉腐れは開花直前の樹冠散布、幼果腐れは満開期樹冠散布で防除でき
る(表1)。開花直前散布は灰星病の花腐れ防除時期と一致する。幼果菌核病に対して シメコナゾール水和剤 2000 倍、フェンヘキサミド水和剤 1000 倍、チオファネートメチル水和剤 1000 倍の樹冠散 布が有効である。スピードスプレーヤによる満開期の薬剤散布はオウトウの結実にはほ とんど影響しない。
5.灰星病の重点防除時期は開花直前と満開3日後(花腐れ防除)、着色始(収穫 20 日 前)~収穫直前(果実腐れ防除)であり、幼果期間防除の省略が可能である(表2)。た だし幼果期間が多湿条件の場合は防除を徹底する。
6.灰星病菌にイプロジオン(ジカルボキシイミド系薬剤)に対する感受性の低下は認められない が、オウトウ灰色かび病菌には本剤に対する低感受性菌が存在する。灰星病防除として 本系統薬剤を連用すると園内の灰色かび病菌の更なる感受性低下を招く恐れがある。
7.幼果菌核病および灰星病の効率的防除法を表3に示す。
成果の活用面・留意点 1.耐性菌出現を抑えるためジカルボキシイミド系薬剤は連用しない。 2.シメコナゾール水和剤、フェンヘキサミド水和剤、チオファネートメチル水和剤は訪花昆虫に影響しない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000106
カテゴリ おうとう さくら 耐性菌 防除 薬剤

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