細胞採取法の改善による性判別凍結受精卵の受胎率向上技術

タイトル 細胞採取法の改善による性判別凍結受精卵の受胎率向上技術
担当機関 道立畜試
研究課題名
研究期間 2001~2002
研究担当者 陰山聡一
森 清一松崎重範(社団法人ジェネティクス北海道)
森安 悟
南橋 昭
尾上貞雄
平山博樹
澤井 健
発行年度 2003
要約 桑実胚からの吸引法による細胞採取とそれに続く24時間の培養を行うことで、ダ イレクト法で凍結しても受胎率の高い性判別凍結胚が得られる。この一連の技術について、 プロトコルを作成した。
キーワード ウシ、胚、性判別、凍結、ダイレクト、ガラス化、吸引
背景・ねらい ウシ受精卵(胚)の性判別技術を普及させるためには、性判別胚の凍結保存が必須であ る。しかし、従来法、すなわち、金属刀で切断して細胞の一部を採取した胚盤胞をダイレ クト法で凍結する方法では受胎率が低く、実用に耐えない。本研究では、性判別凍結胚の 受胎率向上を目的として凍結方法および細胞採取方法について検討する。
成果の内容・特徴 1.凍結方法では、金属刀で切断して細胞を採取した胚盤胞について、近年開発されたガ ラス化法(雪印法)を適用し、その生存率を従来法のダイレクト法と比較したところ、ガ ラス化法により凍結した胚盤胞の融解後の生存率(71.8%)は、ダイレクト法(65.1%)と 比較して有意差が見られない(表1)。 2.同様に金属刀で切断して細胞を採取した胚盤胞について、ガラス化法(雪印法)を適 用し、その受胎率を従来法のダイレクト法と比較したところ、ガラス化法により凍結した 胚盤胞の融解移植後の受胎率(15.0%)は、ダイレクト法(25.5%)と比較して有意差が見 られず、また、新鮮胚(63.8%)に対して有意に低い(表2)。 3.細胞採取方法では、胚細胞の損傷が少ないマイクロピペットによる吸引法の適用を試 みた。この方法では胚盤胞から細胞を採取することは困難であるので、桑実胚を用い、凍 結方法は直接移植の可能なダイレクト法とした。また、桑実胚は耐凍性が劣るため、細胞 採取後IVD101(機能性ペプチド研)で24時間の培養を行い、胚盤胞まで発生させてから凍 結を行った。吸引法により桑実胚から細胞を採取すると、胚にほとんど損傷を与えること なく必要な数の細胞のみを採取することができる。これらの胚をIVD101で24時間培養する と、ほぼ完全な透明帯を保持したまま胚盤胞に発生する(図1)。 4.これら一連の操作を行った胚の受胎率を、従来法のそれと比較した。マイクロピペッ トで吸引して細胞を採取し、24時間培養後にダイレクト法で凍結した桑実胚の融解移植後受胎率(44.1%)は、金属刀で切断して細胞を採取し、ダイレクト法により凍結した胚盤 胞(20.5%)と比較して有意に高く、また、それぞれの新鮮胚の移植後の受胎率(50.0%お よび51.3%)に匹敵する成績が得られる(表3)。なお、切断法ではいずれも細胞採取後I VD101で4時間の培養を行っている。 5.金属刀で切断して細胞を採取した胚盤胞をガラス化法で凍結しても、受胎率の向上は 見られない。桑実胚からの吸引法による細胞採取とそれに続く24時間の培養を行うことで、 ダイレクト法で凍結しても高い受胎率が得られる性判別胚の生産技術を開発し、一連の技 術について、プロトコルを作成した。
成果の活用面・留意点 吸引法を実施するには発情後6日目の胚(桑実期)を採取する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000095
カテゴリ 機能性 受胎率向上

この記事は