搾乳牛におけるフリーバーンのふん尿・床管理の実態

タイトル 搾乳牛におけるフリーバーンのふん尿・床管理の実態
担当機関 道立畜試
研究課題名
研究期間 1999~2003
研究担当者 阿部英則
浦谷孝義(十勝農試)
吉田 悟
谷川珠子
田村 忠
渡部 敢
平井綱雄
湊 啓子
発行年度 2003
要約 床と通路へのふん尿負荷量は排泄量の 11~30%, 70~89%である。床と通路ふん尿の水 分含量は 67, 84%程度であって、床は堆肥化処理、通路ふん尿はセミソリッド処理となる。床 占有面積が小さい場合は床の除ふんと敷料増で、大きい場合は敷料量の増減で床が維持・管理 されている。フリーバーン方式では敷料費が多い。
キーワード フリーバーン、ふん尿管理、床管理、ふん尿フロー、家畜ふん尿
背景・ねらい フリーバーン(FB)での搾乳牛の飼養方式が道内でも導入されている。FBでは、ふん尿による
牛体汚染を防ぐための床管理、そしてふん尿管理がポイントとなるが、これらについての情報 は乏しい。そこで、現地調査の中で、FBのふん尿フローを明らかにするとともに、ふん尿・床 管理に関する実態、留意点を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.FB は敷料を敷き詰めた床と通路、飼槽から構成され、ふん尿は床と通路へ排泄される。 床への排ふん割合は排泄量の 30%であり、床の除ふんをしている農場では 8%で除ふんによ り 22%のふん量が低減するが、その分通路のふん尿が増す。床への排尿割合は排泄量の 23~30%である。FB 床の平均水分含量は 67%であって、床で排泄されたふん尿は床搬出後に 堆肥化処理となる(表1)。
2.通路に排泄されるふん尿の水分含量は 84%であって、床の除ふんの有無によって異なるが、 排泄量の 70~89%の大量のふん尿がセミソリッド処理となるので(表1)、充分な貯留容量を 確保するなど、流出防止のための適切な管理が必要である。
3.床管理の方策として敷料追加、床除ふん、床更新、表層除去があげられる。FB 農場の半 数が床の除ふんを行っており、床管理労力は除ふん有りが無しの 3.8 倍である(表2)。
4.牛体汚れ度を指標として床管理状況をみると、汚れ度のとりわけ高い1農場(F農場)を 除いてはいずれも汚れ度は低く、床管理がおおむね良好であると判断される。床水分、牛体 汚れ度はF農場は 74%, 1.6 と最も高く、他農場の平均は 66%, 0.2 である(図 1)。
5.床管理の要因である床専有面積と床管理労力、敷料量の間には負の相関がみられる。すな わち、床占有面積が小さい場合は労力、敷料を増して床を管理している(図 2,3)。
6.FB床占有面積は 4.1~13.4m2/頭であって、面積が小さい場合に床の除ふんが行われて いて、ふん尿負荷を低減している。床除ふんの採用は6m2/頭以下が目安となる。これより 大きい場合は、面積に対応した敷料量の増減で床が管理されている(図 2,3)。
7.F農場の床専有面積は 4.1m2/頭で調査事例中最も高いが、床の除ふん、表層除去、床更新 は行われていない。他農場の推定ふん尿負荷量は 0.5~0.8 トン/m2・年の間にあるが、F農場は 1.6 トン/m2・年であって、床除ふんの採用により 0.7 トン/m2・年に低減できる。他農場の床の平 均水分 66%まで低下させるには敷料量は約4割増になる。
8.床の中・下部の窒素、ミネラル含量から、ふん尿成分の床内部への浸透がうかがわれ、FB 導入に際しては床底部に不浸透性資材を用いることが望ましい。
9.FB はつなぎやフリーストールと比べて、1頭当たりの占有面積は大きく、畜舎内のふん 尿管理労力は少なく、敷料費は数倍多いことがうかがわれる。FB1頭当たりの年間ふん 尿管理費は 19 千円~51 千円であるが、そのほぼ 80%以上を敷料費が占めている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000079
カテゴリ 除ふん 乳牛

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