シートを利用したふん尿堆積場における作業性およびふん尿の性状変化

タイトル シートを利用したふん尿堆積場における作業性およびふん尿の性状変化
担当機関 根釧農試
研究課題名
研究期間 2001~2003
研究担当者 吉田邦彦
宮崎元(道立畜試)
高橋圭二(根釧農試)
渡部敢
発行年度 2003
要約 シートを利用したふん尿堆積場(シート施設)は 10 人・3~5 日で造成でき、重機による搬入 出作業が可能である。貯留時のふん尿性状変化は堆積ふん尿の性状により大きく異なり、かさ密 度が低い場合には乾物分解が進み、高い場合には進まない。回収される排汁量は、半年~2 年の 堆積期間で、堆積ふん尿重量の 20~30%である。
キーワード 家畜ふん尿、シート施設、作業性、ふん尿性状
背景・ねらい シート施設(図 1)は、極めて低コストで設置可能であり、「家畜排せつ物法」に対応するための施 設として期待されるが、その利用促進のためには、造成や搬入出の作業性、堆積ふん尿の性状変 化などを明らかにする必要がある。そこで、場内試験(施設規模 100m2)と現地農家 7 ヶ所に、実際 にシート施設を造成し、ふん尿を堆積して調査した。
成果の内容・特徴 1. シート施設の基本構造はふん尿上部と底部をシートで覆うことで雨水の混入と排汁の拡散を防
止しており、底部シート、集水管、床土、盛土、被覆シート、排汁槽からなる。床土は底部シート保護と作業性の確保のため 50cm 程度敷き詰めている。底部は集水管に向け勾配をつけ排 汁を回収している。盛土は施設外からの雨水の混入と排汁の施設外流出を防止するために設 置している。施設の造成作業は約 200m2 規模を 2 施設と排汁槽で、10 人前後で 3~5 日程度 を要する。
2. シート施設は、よく締まり盤になると考えられる資材(火山灰、山砂、圃場土など)を床土に利用 することで、重機によるふん尿の搬入出作業が可能である。ふん尿が堆積されないで、排汁の 流路となる場所は重機作業により泥濘化しやすい(表 1)。
3. 排汁は半年~2 年の堆積期間中に堆積ふん尿重量の 20~30%と多量に回収されるため、排 汁は適切に管理し、圃場に還元する必要がある。
4. シート施設におけるふん尿の性状変化は堆積ふん尿のかさ密度により大きく異なる。約半年間貯留により、かさ密度が低い場合には堆積物の温度が上がり、乾物分解が進んで水分率が やや上昇し、かさ密度が高い場合は、温度が上がらず、乾物分解が少なく、水分率が低下する 傾向を示す(表 2)。これらの結果よりシート施設に貯留したふん尿の性状変化の目安を提示す る(表 3)。
5. シート施設においても切返しを行うことで水分率が低下し、腐熟が促進される(図 2)。
成果の活用面・留意点 1. 床土の作業性を維持するためにはふん尿の一括搬入・搬出が望ましい。 2. シート施設にふん尿を逐次搬入する場合には、重機の進入方向には排汁が流れない構造とす
るなど施設設計時に排汁の動きを考慮する。 3. 排汁が施設外へ流出した場合や雨水が施設内に混入した場合は、盛土や小排水路により流
路を確保することですみやかに対処する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010000072
カテゴリ 低コスト

この記事は